刑裁サイ太のゴ3ネタブログ

他称・ビジネス法務系スター弁護士によるニッチすぎる弁護士実務解説 TwitterID: @uwaaaa

司法修習生歴代事件・不祥事百選

はじめに

 今日は,新63期10周年記念大会が熱海で行われているようですね。
 当職は諸事情により不参加なのですが,盛会を祈っております。


 そんな,誰しも司法修習のことを思い出してしまうおセンチな時期に,次のようなツイートが流れてきました。


 自分自身を振り返ってみれば,今よりも血気盛んで命知らずだった司法修習生をよく大過なく過ごせたなと,少々背筋が凍る思いでした。
 無事是名馬,人生是思春期の言葉を思い出さずには居られませんでした。


 しかしながら,伝聞法則の恐ろしさを叩き込まれているはずの法曹界につきものの,出所不明,根拠不明の噂も含まれているかも知れません。
 そもそも,今の若者にはどのような事件だったのかすらもう分からない事案すらあります。
 ここでは,先ほどのツイートの逐条解説を試みます。つまり,司法修習生の歴代の事件・不祥事を百選の体裁で解説して参りたいと思います。
 なお,調査により新たに判明した不祥事・事件も追補しています。


23期 任官拒否,終了式壇場占拠罷免

 裁判官志望者のうち7名が任官拒否されたことから,ある修習生が,修習終了式において司法研修所長の祝辞中に発言の機会を与えよと直訴したというもの。
 詳細は以下の山中先生のブログに詳しいです。
「品位を辱める行状」があったことを理由とする司法修習生の罷免事例及び再採用 | 弁護士山中理司のブログ
 同ブログに引用されていませんが,以下の弁護士ドットコムのインタビュー記事でも本人が当時のことを語っています。
『弁護士は「社会が与えてくれた資格」罷免から50年…「司法の危機」時代を生きた阪口徳雄弁護士が歩んだ道』 - 弁護士ドットコムタイムズ

33期 露出罷免

 修習生が公然わいせつを働いたことにより罷免されたというもの。
 こちらも山中先生のブログに詳しいです。
「品位を辱める行状」があったことを理由とする司法修習生の罷免事例及び再採用 | 弁護士山中理司のブログ

34期 扶養料等請求罷免

 知り合いの女性に対して過去の扶養料を取り立てるためにその父親に支払いを督促をした際,司法研修所東京地裁裁判官の用紙を用いたこと等により罷免されたというもの。
 こちらも山中先生のブログに詳しいです(私は初耳でした。)。
「品位を辱める行状」があったことを理由とする司法修習生の罷免事例及び再採用 | 弁護士山中理司のブログ

38期 カンニング事件

 2回試験において,書き込みをした六法を持ち込んだ修習生がいたというもの。
 山中先生のブログ参照。
38期二回試験において,書き込みをした六法全書が持ち込まれたことに関する国会答弁 | 弁護士山中理司のブログ

49期 ランドリーパブ事件

 岡口基一氏による「山室恵教官率いる49期2組のメンバー(橋下徹修習生を含む)が司法研修所の寮で夜通し騒いで,管理人を苦笑いさせたという話のようです(^_^)」というツイートが残っています。
https://twitter.com/okaguchik/status/144617690026356736
 このほか,ランドリーパブのことを今に伝える情報としては,以下のものがあります。
「寮生がランパブ(ランドリーパブ。寮の洗濯場前での呑み会の略称。当時,役人接待で問題となったランジェリーパブではない)で熱く語らっていたパワーを思い出す」
https://www.toben.or.jp/message/libra/pdf/2022_0102/p42.pdf
ツンデレもランドリーパブの生き証人の一人」
キャリア官僚になったアタシ。。。でも、挫折しました(>_<) : ツンデレblog


 以上の情報を総合すると,刑裁教官が破廉恥な「ランジェリーパブ」をもじった会を催し司法研修所の寮でどんちゃん騒ぎをしたことが問題視されたということでしょうか。個人的には何が問題なのかと思うところです。

53期 ロシア人の妹

 司法研修所の寮に,派遣型風俗の従業員を招き入れようとした際に守衛に止められ,修習生が「ロシア人の妹なんです」などと強弁したが,退寮処分となったというもの。
 少なくとも当職はそんな感じで聞いていますが,話が話なだけに,伝言ゲームで面白おかしく脚色されている可能性が高いと思っています。


 期の近い弁護士らによる司法修習の現在に関する論考中には次のような記載がありました。

 この文献は2000年のものであり,近年の事件との書きぶりから,「53期」「その手の方を招き入れようとして止められた」までは間違いなさそうです。
 ただ,ロシア人であったかどうか,そして「ロシア人の妹」と弁解したかどうかは合理的な疑いを容れる余地が多いにありそうです。
 ところで,本件を「デリヘル」事案であったとする向きもあり,確かに1999年当時はデリヘルが流行しだした時代であるのですが,前述の論考ではホテトルとしていて,なお検討の余地があります。


【追記】
 53期の先生が,本件をデマであるとしているツイートがありました。
弁護士 中村憲昭 on X: "@dashimakibengo これはデマですね。同期同クラスの友人の話です。" / X
 これによれば,(おそらくは部外者である)彼女を寮に立ち入らせようとしたというのが真相のようです。
 中村先生は53期の先生で,かつ,直接の知人のようですので,「期の近い弁護士ら」の情報よりも真に迫っているような印象を受けます。
 しかし,なぜロシア? 金髪という噂も流れていたのは,ロシア人だから金髪なのか,その女性が金髪だからロシア人という噂になったのか。 
 取材申し込んでみます。

53期前後 廊下真っ黒事件

 寮内の白色の廊下で何者かが「スケートボード」で遊んだため,タイヤの痕で廊下が真っ黒になり犯人捜しで大騒ぎとなったというもの。
 先の論考中に掲載されていました。

 期が特定されていませんし,そこまで大きな問題とも思えませんが一応掲載。

55期 魔法キノコ(合法)

 寮内で,当時は合法であったマジックマッシュルームを喫食した結果,幻覚症状を起こし,5階の部屋から空中遊泳を行い転落したというもの。
 当時のニュースを引用しているブログがありました。
Talking to myself in November 2002
 これによると,厳重注意で済んだ模様。
 この点,このブログによれば5階とのことなのですが,当時のブログを見ると2階や3階としているものが散見され,伝聞法則の重要性を感じました。

58期 女子トイレ(不起訴)

 修習生が東京地裁内女子トイレに隠し撮り目的でビデオカメラを設置したというもの。
 以下のコラムの無料部分に記載があります。
「法曹のレベル」は、さらに低下する:Foresight | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト
 嫌疑不十分で不起訴で終わっているようです。顛末については,やはり山中先生のブログ参照(先ほどのページとは異なる点に注目)。この弁護人の名前は・・・。
司法修習生の逮捕及び実名報道 | 弁護士山中理司のブログ

61期 前科43犯

 修習生が,検察修習中のことを守秘義務を顧みず,ブログに赤裸々に記したというもの。
 以下の記事に詳細が出ています。
「前科43犯ぜひ45目指してほしい」 司法修習生軽率ブログが閉鎖: J-CAST ニュース
 今も修習生が検察修習について何か意見を言うと叩かれがちなのは,この事件が背景にあります。

67期 うんこ

 詳細不明。うんこ漏らしたくらいなら誰でもあるでしょ?
【追記】
うんこ事案については情報提供をいただきました。
エンリケ航海玉子🐶17さい on X: "逐条解説された。 なお、67のうんこは、A棟とB棟の間の廊下に固形排泄物が落ちていたことがある、と聞きました。67からの伝聞です。" / X
未確認情報として「・A棟B棟間で打ち上げ花火?」としていたものはこれであるようです。
事案の性質上,客観的な情報はなさそうですが,誰か名乗り出てほしいものです。

67期 盗撮

 修習生が電車内で通路の向かい側に座っていた女性のスカートや足の写真を数枚,撮影したということで,迷惑防止条例違反の疑いにより現行犯逮捕されたというもの。
 こちらも山中先生のブログ情報です。顛末は不明。
司法修習生の逮捕及び実名報道 | 弁護士山中理司のブログ

70期 全裸

 修習生が寮の談話室での飲み会中に下半身を露出したもの。
 詳細は山中先生のブログにて。
「品位を辱める行状」があったことを理由とする司法修習生の罷免事例及び再採用 | 弁護士山中理司のブログ

70期 偽名

 修習生が寮の談話室で所定の時間を過ぎても飲酒していた修習生のグループがいたため,警備員が注意し,自らの組・番号・氏名を記載させたが,いずれも虚偽であったというもの。70期は寮の談話室で問題起こしすぎでしょ・・・。
 山中先生が情報公開してる定期
https://yamanaka-bengoshi.jp/wp-content/uploads/2017/12/%E5%B9%B3%E6%88%90%EF%BC%92%EF%BC%99%E5%B9%B4%EF%BC%98%E6%9C%88%EF%BC%92%EF%BC%98%E6%97%A5%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%AE%EF%BC%8C%E5%8F%B8%E6%B3%95%E7%A0%94%E4%BF%AE%E6%89%80%E3%81%84%E3%81%9A%E3%81%BF%E5%AF%AE%E8%AB%87%E8%A9%B1%E5%AE%A4%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%EF%BC%97%EF%BC%90%E6%9C%9F%E5%8F%B8%E6%B3%95%E4%BF%AE%E7%BF%92%E7%94%9F%E3%81%AE%E5%81%BD%E5%90%8D%E8%A8%98%E8%BC%89%E4%BA%8B%E6%A1%88%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E9%96%8B%E7%A4%BA%E6%96%87%E6%9B%B8.pdf

71期 ワイパー

 修習生が酔余,他人所有の車のフロントワイパーを損壊したというもの。
 そろそろお気づきかも知れませんが,この企画,山中先生のブログがあるから不要だったんじゃね?
司法修習生の逮捕及び実名報道 | 弁護士山中理司のブログ

73期 コロナ宴会

 2回試験後の打ち上げで新型コロナウイルス感染症の発症者が発生したというもの。
 ニュースにもなっています。
司法修習生32人、試験後に宴会 1人感染で発覚 - サンスポ
 当時とすれば大問題だったかも知れませんが,こんにちの視点からするとどうでしょうか。

むすびにかえて

 これらの事件・不祥事を見て司法修習生のレベルの低下を嘆くのもよいですが,そんな皆さんは伝聞法則の法意を酌んできちんと裏を取りましたか?
 といいつつ当職も今回初めて調べてみたわけですが・・・汗。
 弁護士バッジの由来も結局曖昧なままですし,こういう噂にもウソも多く含まれていることでしょう。
 事実が重要な時代です。今後も当職は事実を追究しようと思いながら筆を置きます。

その他

 以下,裏が取れなさそうな話を集めたので誰か調べてください。
・馬橋寮に迫撃砲を発射した修習生?
・全裸で女子修習生に迫った?
Twitterの運用にケチを付けて呼び出された?
・いずみ寮洗濯機?
・サボってゴルフ?
・年間50日欠席?(この程度なら別件でもありそう)
・首吊り自殺?

不貞行為の無茶な言い訳判例百選

はじめに

 本当ならコミケにゲリラ参戦するつもりだったんですが,不摂生が祟り一週間寝込んでおりました。
 なので今回はコミケはお休みします。サークル参加してから丸10年だったので一応メモリアルイヤーだったんですが・・・。
 せっかくなので,最近世間を騒がせている"あの件"に関連して,「不貞行為の無茶な言い訳判例百選」をシングルカットします。
 読者からの評判が非常に良かった企画ですので,コミケの待機中にでも読み返してみてください。
 (初出;2017年8月なので第8版?)

原典のはじめに

 「カラオケの抗弁」。不貞行為慰謝料請求事件における「ラブホテルに入ったが,カラオケをしていただけで,肉体関係はない」という主張を俗にこう呼ぶ。
 よほどのことがない限りは通らない,幻の抗弁(厳密には抗弁ですらないが)である。
 実務上,不貞行為慰謝料請求事件では,被告側から「カラオケの抗弁」に類するような,割と無理のある主張が出てくる率が高いように思われる。
 そこで,判例検索システムを使って,無茶な主張が通らなかった事例を調査をすることとした。調査をしていくと,意外と無理筋っぽい主張が通ってたりする事例も割とあったのだが,他日を期したい。

東京地判平成24年11月28日ウエストロー

 メールに「ギュウ」という,社会通念上,抱きしめる行為に使われることが多いであろう擬態語について。「『ギュウ』はAが手かざしで痛みを和らげる能力を持つというのでAから被告の肩などに手をかざしてもらったことを指している。」と主張した。
 裁判所は,「言葉自体としては男性が女性を抱きしめる様子を連想させるものであり,性的行為の存在を想起させないではないが,それ自体ではあいまいな表現というよりほかない。」とした。原告の証拠関係が弱い事案であり,やむを得ない認定であろう。慰謝料は,このメールの記載等を踏まえて一部認容(30万円)した。

東京地判平成28年12月27日ウエストロー

 被告は,本案前の答弁として,訴状に記載のある被告住所は被告の実兄の住所であり,未だ被告へ送達されていないと主張。
 しかし,裁判所は訴状は被告の同居人として受領されていること,今後の送達もこの住所になるという旨の確認を書記官がした際も「構わない」と述べていること,結局訴状を前提とした答弁書を提出していることから仮に送達に瑕疵があったとしても治癒されていると認められることから,失当と判断した。
 その上で,本案に対する答弁をしなかったため,被告は擬制自白で敗訴した。

東京地判平成28年10月17日ウエストロー

 被告は,営業努力の一環として,勤務先のクラブの常連客と店外の食事などに付き合っていたに過ぎないなどと主張。
 裁判所は,ホステスの同伴出勤や外出等は「一般的に見られるところ」としつつも,「ホテルにあえて2人きりで宿泊等することがホステスの営業努力として一般的であるなどとは到底いえない」とした。認容。

東京地判平成28年10月17日ウエストロー

 被告は,「(原告の配偶者)が精神不安定であり,人目をはばからない場所で飲酒するために,本件ホテルに入室したが,室内では飲酒しており,性交渉には及んでいない。」と主張。
 裁判所は,直前の様子は「特に精神不安定である様子はうかがわれない」,「外観から明らかにラブホテルであることが認識できる本件ホテルに入るのは不自然,不合理である」などとして認容。

東京地判平成28年4月22日ウエストロー

 被告の主張。「原告は,配偶者でありながら,その行動を抑止することがなく,その不貞行為を認識しつつ,あえて離婚することもなく,今後も婚姻関係を継続する旨を述べており,これは配偶者としての権利を放棄したものとみなせるので,慰謝料請求をするのは禁反言に当たる。」
 裁判所は,権利を放棄する意思表示又はこれに類する言動等を行ったとする証拠はないとしてバッサリ。

東京地判平成28年2月24日ウエストロー

 被告は,ラブホテルに入った事実は認めるが,その理由は,盗聴等される心配がないラブホテルに入り,相談を受けたに過ぎないと主張。
 「そもそも被告らが盗聴等を心配する理由,あえてラブホテルを選択する理由等は依然として不明なまま」と断じて排斥された。

東京地判平成28年2月1日ウエストロー

 被告は,不貞行為が組合の上司から無理矢理性交渉に引きずり込まれた,パワハラ(強姦)の被害者であると主張。
 しかし,裁判所は,「3年近くに亘り,強いられ続けたという主張自体がにわかには信じがたい,生々しいメールでのやりとりは,双方が合意の元に不貞に及んでいたのでなければおよそ取り交わされるものとは認められない」と断じて,被告の主張を「およそ合理性,信用性を欠くもので,荒唐無稽であるといわざるを得ない」とオーバーキル気味な認定をした。

東京地判平成27年9月18日ウエストロー

 被告は,「原告の配偶者と同棲生活を送っていた」との主張に対し,原告の配偶者が原告によって自宅を追い出されたことに同情して被告宅に棲まわせていたに過ぎず,肉体関係は存在しないと主張。
 もちろん認めず。

東京地判平成27年8月21日ウエストロー

 被告が原告の配偶者を抱きしめている写真が撮影されたものの,被告はこれについて,職場で正社員になることができるかについて不安を感じていた原告の配偶者と,終業後に立ち話をしていた被告が,泣き出した原告の配偶者を抱きかかえる形で慰めていたところを撮影されたものであり,不貞の証拠とはならないと強弁。
 もちろん認めず。

東京地判平成27年5月27日ウエストロー

 被告は,原告の配偶者は,10年ほど前から,糖尿病及び高血圧症で投薬治療中であり,血糖値の高さを示すグリコヘモグロビン値は平成23年以降ほぼ6以上であって,性的不能の状態にあると主張。
 裁判所は,その他の事情からあっさりと,「全く性的不能であったか否かは疑わしい」と断じた。

東京地判平成26年12月24日ウエストロー

 被告が,2度の不貞行為とその発覚を繰り返して,3回目もバレた事案。2度も不貞行為がバレたので,既に婚姻関係が破綻していると主張。
 裁判所は,2度とも示談していて,2回目の示談からわずか2ヶ月後だというのだから,流石に婚姻関係が破綻していたということはできないと認定。
 ・・・そろそろお気づきだろうか。そう,ここまでの事案,すべて東京地裁の事案で,ウエストロー登載の事案なのである。判例検索システムプロバイダでは,判例の提供を求めているようだが,東京地裁で事件数が多い裁判所ではあるものの不貞慰謝料請求事件という狭いジャンルの話の,しかも目立つものだけをピックアップしてもこの量というのが恐ろしい。
 なおこの後も続く模様。

東京地判平成26年5月16日ウエストロー

 被告は,心臓の動脈に3つのステントが入っており,腹部動脈も人工血管であり,激しい運動をすると心筋梗塞狭心症の発作で死に至る可能性があるため,その恐怖から性交渉を行うことができないなどと主張した。
 しかし,裁判所は,被告が提出した診断書は,外出先で倒れた状態に対するものであり,その他,不貞行為の時期に,血圧上昇を伴う運動やストレスを伴う活動を意思から禁止されていたことを認めるに足る証拠はないとして排斥した。

東京地判平成26年5月14日ウエストロー

 被告は,直前に子宮ガン検診を受けたから不貞行為はなかったと主張。
 しかし,その根拠は,「検診後には2,3日性交を控えるべきである旨のインターネット上の匿名の書き込み」しかなく,なおかつ,その旅行は4泊5日であったというのであり,不貞行為があったとする推認を妨げないとした。

東京地裁平成24年4月13日ウエストロー

 写真結婚式を挙げまでした事案について,被告は「コスプレ衣装を身につけた『結婚ごっこ』に過ぎない」と主張。
 当然そのような言い分は認められず。

東京地裁平成23年3月28日ウエストロー

 「早くHしたい...」「Yくんを身体で感じることができて,すごく幸せな気分だよ=」「老後,下の世話,口で拭き取ってくれる約束したじゃん=」「いつも口で吸い取ってあげてるでしょ==」等のメールのやりとりを,被告は,「テレフォンセックスの延長」と強弁した。
 しかし,探偵の心配をするメールがあることや,「お互い結婚してなきゃ堂々とつきあえるのに」等のやりとりもあることから当然に排斥。

東京地判平成22年9月6日ウエストロー

 被告は,原告が不貞行為に気付いたのにもかかわらず,不貞関係を続けさせ,不貞から長期が経過してから本訴を提起していること,Aが被告に対して終始誘惑的であり主導的であったこと等から,美人局であると主張した。
 しかし,裁判所は,原告が不貞行為に気付いた時期について誤認があったとした上,そのほかに挙げる事実もただちに美人局とうかがわせるものではないとして主張を排斥した。

東京地判平成22年3月12日ウエストロー

 被告が,Aと同居し,韓国旅行及びディズニーランドに行ったことについて,「Aとは単なる仕事のパートナー,家でも仕事をする関係から同居しているのに過ぎない。旅行は,社員旅行である。」という主張を展開。
 もちろん排斥された。