はじめに
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プロ野球に関する訴訟のニュースが飛び込んできたので,大嘘判例八百選[第8版]だったかに掲載した「プロ野球に関する判例で打線組んだwwww」をブログ用にシングルカットします。
締め切り直前の1時間で調べて書き殴った「はじめに」すら書かないやっつけ記事ですのでクオリティは高くないです。とはいえ,下位打線を中心にあまり知られていないものを選びました。あ,中日球場焼失事件(名古屋高判昭和29年5月31日特報33号85頁)が漏れてるな・・・。
1 札幌高判平成28年5月20日裁判所HP
プロ野球の試合を観戦中,打者の打ったファウルボールが顔面に直撃して失明した被害者が,球団運営会社及び球場の所有者である政令市に対して損害賠償を求めた事案。
球団運営会社には損害賠償を命じ,球場の所有者に対する賠償責任は否定した。
2 知財高判平成27年6月24日裁判所HP
「プロ野球ドリームナイン」というタイトルのゲームをSNS上で展開している控訴人が,「大熱狂!!プロ野球カード」というタイトルのゲームを提供・配信している被控訴人に対して,著作権侵害・不正競争防止法2条1項1号・3号に基づき,損害賠償等を求めた事案。
中島裕之選手及びダルビッシュ有選手のレアカードについて,翻案権及び公衆送信権を侵害しているとして請求を一部認容した。
3 東京地判平成27年8月21日判例時報2295号98頁
読売巨人軍を運営する原告が,かつて原告の球団代表を務めていた被告に対して,球団代表を辞するに当たって持ち去った文書の返還を求めた事案。いわゆる清武の乱である。
認容されたのは,2人の選手との間の「契約金に関する覚書」「(参稼報酬)確認書」「(別途出来高払い)覚書」のみ。
4 大阪高裁判平成6年8月31日判例タイムズ864号274頁
いわゆる阪神タイガースファン暴行事件。昭和60年のプロ野球セリーグのペナントレース及び日本シリーズで阪神タイガースが優勝したことに伴い,同球団のファンやこれに同調する群衆が優勝祝いとして集まって騒ぐことが続いていた。そんな中,警察官が2名の被害者に対して職務質問を行った上で署に連行し,その後解放されると,それまで被害者が負っていなかった頚椎捻挫や鼓膜穿孔等の傷害を負っていたという事案。特別公務員暴行陵虐罪が問議された付審判請求事件である。
結果として,警察官は有罪とされた。
5 東京地決昭和53年10月2日判例タイムズ372号97頁
王貞治選手の氏名権・肖像権に基づき,その立像,氏名等の表示されたメダル(ホームラン800号記念)の製造販売を差し止めるよう求めた事案。
結果は認容。
6 名古屋高判平成23年2月17日判例時報2116号75頁
12球団及びプロ野球の運営を統括する社団法人が,特定の応援団の申請した楽器等を使用して観客を組織化し又は統率して行われる集団による応援の申請を不許可としたこと,及び,特定の応援団の団員に対して,プロ野球の試合等の入場券の販売を拒否し,球場等への立入りを禁止する旨を通知したことが,いずれも違法とはいえないとされた事例
7 福岡高決平成9年8月22日判例時報1619号83頁
元プロ野球選手が破産宣告を受けた上で免責の申立てを行ったところ(旧破産法),同人が自動車を買い替えたが浪費に当たるとして免責を認めなかったことを不服として抗告した事案。
浪費に当たるものの裁量免責を認めた。