はじめに
当職はこれまでいわゆる薄い本として「大嘘判例八百選」「うそしい起案」「大嘘判例八百選補訂版」「大嘘判例八百選第2版」と上梓してきましたが、平成26年8月中旬頃行われるコミックマーケット86に参加できれば、「大嘘判例八百選第3版」を頒布しようと思っております。6月上旬頃に抽選の当落が分かりますので,受かれば確実に参加できますし,落選した場合は委託先を検討する予定でおります。
どうやって原稿を書いているのか、あまり可視化されていないような気がしましたので、出張帰りに考えた原稿を披露してみたいと思います。原稿と言うよりも原案に近い気がしますが(笑)
なお,「大嘘判例八百選第2版」は「とらのあな」様で通販しておりますので,興味のある方はどうぞ^^
https://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/18/69/040030186920.html
原稿その1
はぐれメタルが あらわれた!
はぐれメタルは いきなり おそいかかってきた。
はぐれメタルは にげだした。
はぐれメタルは いなくなった。
以下は、弁護修習中の修習生Aとその指導担当弁護士Bの会話である。会話を読んで、以下の問いに答えなさい。
B:いやー、またはぐれメタルに逃げられちゃったね。
A:いきなり襲いかかってきておいてすぐに逃げ出すなんて、このはぐりんは何を考えているんですかね。
B:マヂ悔しいよね。なんとかこういう不届きなはぐれメタルに対して法的手段が取れないか検討してみよう。
はぐれメタルに逃げられた勇者一行は,どんな裁判をすることが考えられるかな。
A:まずは,経験値を請求する訴訟をすることが考えられます。バトルのやり直しを請求する訴訟では迂遠です。
B:なるほど。経験値を直接請求する訴訟を提起するわけか。そういう構成もあり得るかも知れないね。
ただ,相手ははぐれメタル。あちこち逃げ回る奴だ。そういう奴に訴訟を提起する場合は・・・
A:あっ,訴訟を提起するのに先立って逃亡禁止の仮処分を掛ける必要がありますね。
B:そのとおり。実務的に仮処分を使うような事例はそう多くないけれど,そういう発想はもっておきたいね。
で,その経験値を直接請求する訴訟の請求原因はどのようなものになるかい。
A:うーん,直感的には,「いきなり襲いかかってきておきながら,すぐに逃げ出す」という点について,信義則違反であるということは分かるのですが・・・。
B:そんなに簡単にあきらめないで,いろいろな考え方があるのだから,本件で経験値を請求することができるとする結論を導くための理由として,どのような考え方を根拠とする主張があり得るかについて検討してみてください。
それから,経験値を請求できるとして,実際にどれだけの経験値を請求できるのか,相手から出てくる反論を予想し,これに対する再反論ができるかどうかを検討して報告してください。
〔問〕 あなたがA修習生であるとして,B弁護士が指示した前記事項について,検討の結果を述べなさい。
コメント:逸失利益的な考え方で経験値を計算させようかと考えているが,ネタに昇華しきれず。
最後のBの発言の元ネタ,わかります?
原稿その2
邪教の館の主Mは,顧客から依頼を受け,顧客がハンドヘルドPC内に保有する仲魔同士を合体させ,別な悪魔を合成する役務を業として提供していた。
20XX年,救世主を名乗る少年Hが同邪教の館を訪れ,Mに対し,仲魔の合体方を依頼した。
その際,Hが指示した仲魔は妖魔ガネーシャと霊鳥ガルーダであったのに,Mが勘違いして,HのハンドヘルドPC内に存在した邪鬼ギリメカラと凶鳥グルルとを合体させてしまった。そのため,外道スライムが合成されてしまった。
Mが提供する役務の性質について触れながらHとMの法律関係を述べなさい。
コメント:悪魔の選定にもう少し凝りたいところ。
原稿その3(既出ネタ)
ある村の町長である甲が,村を訪れた冒険者乙に対して洞窟に巣くう魔物の討伐方を依頼するふりをして,乙を魔物の生贄に捧げようと考えた。そこで,甲は乙が洞窟に侵入した直後に入り口を封鎖した。しかし甲の予想に反し,乙は魔物を討伐し,洞窟から無事に脱出した。甲の罪責を論ぜよ。
コメント:村なのに「町長」というのは元ネタどおりなので突っ込みは無用。これはこのまま載せるかな-。
まとめ
こんなの書いてないでさっさと起案しろ