はじめに
当職もパロディさせていただいている,「判例百選シリーズ」の大喜利が盛り上がっておりました。
こういう企画,大喜利にするだけじゃなくて実際に実行したら面白いんですよね。ということで勝手にやってみました。
ことりっぷ判例百選
1 勘違い騎士道事件
原々審(千葉地判昭和59年2月7日刑集41巻2号214頁)をみると,
「千葉県市川市田尻四丁目一四番二四号先路上」とあります。
地下鉄東西線の原木中山駅からすぐ近くの路上です。ストリートビューで見ると,アパートが建っているようです。
2 大阪南港事件
やはり原々審(大阪地判昭和60年6月19日刑集44巻8号847頁)をみると,
「大阪市住之江区南港南三丁目八番地横浜鋼業株式会社南港スチールセンター北側資材置場」とあります。
横浜鋼業株式会社は吸収合併により平成25年に消滅したとのこと。
なお,当職において実際に行ってみました。
いわゆる大阪南港事件で、被害者が暴行を受けた後に放置されていた現場に行ってみました。倉庫街のど真ん中でした。 URL
3 鋲打ち銃事件
打撃の錯誤について数故意犯説を採用した判例。最判昭和53年7月28日刑集32巻5号1068頁をみると,
「東京都新宿区西新宿一丁目四番七号先附近の歩道上」とあります。
新宿大ガード下の近く,このような場所で鋲打銃を撃ったのであれば確かに別の歩行者に貫通して当たるかも・・・と思わされます。
4 200メートル離れたポシェットに占有が残るとされた事例(最判平成16年8月25日刑集58巻6号515頁)
窃盗罪の占有の議論で必ず出てくる判例です。
原々審(大阪地判平成15年11月11日刑集58巻6号518頁)をみると,
「大阪府池田市菅原町1番所在の池田駅前公園」とあります。
また,原審(大阪高判平成16年3月11日刑集58巻6号519頁)をみると,
「(ポシェットを置いた場所)から2分位歩いて,約200メートル位離れた阪急池田駅の改札前付近」でポシェットを置き忘れたのに気付いたとのこと。
つい200メートルという数字で考えてしまいがちですが,実際に行ってみるとどうなんでしょう。
5 ホテルの1室で女性に覚せい剤を打ち,女性が錯乱状態になったのに置き去りにした事例(「十中八九」の助命可能性事件。最判平成元年12月15日刑集43巻13号879頁)
某押し押しの事件ではありません。不作為犯の因果関係の論点で出てくる判例です。
原々審(札幌地判昭和61年4月11日高刑集42巻1号52頁)を見ると,
「札幌市北区北四〇条西五丁目三二八番地一五所在のホテルロイヤル朋」とあります。
ぐぐるとこのホテル,今も当時の屋号で営業されておられますね。
参考文献
総論:総研本
各論:西田各論
を参照しながら書きました。総研本は判例検索できなくて不便!