刑裁サイ太のゴ3ネタブログ

他称・ビジネス法務系スター弁護士によるニッチすぎる弁護士実務解説 TwitterID: @uwaaaa

相続関係の資格をまとめてみた

はじめに

 相続関係のよく分からん資格が乱立しているので,整理してみました。
 

調査方法

 こういう資格は,権威付けのためなのか,ことごとく商標登録されているので,商標検索をすると効率よく抽出できます。
 以下のサイトで,「商標を探す」を選択して,検索窓に「?相続?」と入力するとカンタンに調べられますよ!
特許情報プラットフォーム|J-PlatPat
ワイルドカード検索が使えるのをもう少し分かりやすくして欲しいです・・・。)
 調査していて分かったのですが,資格そのものを売り出している場合と,自称だけする資格とがあるようです。今回は前者を主に取り上げ,後者は名称だけご紹介することとします。
 以下,商標登録番号ないし出願番号が若い順に,相続関係の資格を挙げていきます。

相続関係の資格

相続アドバイザー

商標登録第4632068号(ただし「相続アドバイザー協議会」)。
souzoku-adv.com

最適な相続を実現させるため、お客様と各士業との間に入り、実務的見地より問題点を指摘し、的確なアドバイスをする、お客様の利益を守る専門家

だそうです。直接士業のセンセイが話を聞いた方が早いんじゃないの?
理事長はFPでした。トップページに他士業のセンセイが感想を述べていますが,この資格だけの人もいるみたいですね。

相続法務指導員

商標登録第5249807号。
活躍する相続法務指導員 | 行政書士実務開業講座|法務研修館

相続・遺言実務のプロフェッショナルに与えられる称号を「相続法務指導員」といいます。
依頼者である相続人の利益のみを追求するのではなく、相続人全員の円満な合意のために助言、調整を行なう専門家。
遺言においても、遺言者の要望とともに相続人間の紛争を防止するための助言や提案を行なう。

だそうです。助言はともかく,合意のための調整って交渉ってことなんじゃ・・・?
館長(!)は行政書士でした。行政書士向けでしょうね。

相続知識検定

商標登録第第5348934号号。
50歳になったら相続学校 | 一般社団法人 相続知識検定協会 認定教育機関 50歳になったら相続学校

「相続知識検定」とは、相続に関する法律・税制・不動産評価・株式評価・生命保険・建築・土地有効利用等のあらゆる制度を横断的に捉え、これらの知識を多面的に勉強することにより、国民生活にとって有意な人材を育成することを目的とした検定制度です。

だそうです。一般人向けの初級と,専門職向けの上級とがあるのが特徴ですね。
理事長は法律事務所に所属する不動産鑑定士のようです。あっ,そういえばこの事務所,相続ADRもやってますね(虎ノ門相続問題解決センター)。

相続診断士

商標登録第5473603号。
souzokushindan.com

相続診断士とは、相続の基本的な知識を身につけ相続診断が出来る資格です。生前から相続問題や思いを残す大切さを伝えていき、お客様と一緒に相続と家族の問題に向き合っていきます。その中で、相続についてトラブルが発生しそうな場合には、できるだけ事前に税理士、司法書士行政書士・弁護士などの専門家(パートナー事務所など)と一緒に、 問題の芽を早めに摘み取ります。相続を円滑に進める『笑顔相続の道先案内人』として社会的な役割を担います。

だそうです。行政書士と並列に弁護士が書かれてるあたり,この団体のスタンスが透けて見えますね。
代表は税理士でした。理事に弁護士がいますが,どういう扱いなんでしょうかね。

相続実務検定

商標登録第5483947号。
金融検定協会

高齢者の窓口来店での会話を的確に処理するために、相続の簡単な法律や財産の評価、税金等についてテラーまたは渉外担当者の理解度を試します。

だそうです(別ページに書いてあります。)。
金融機関の職員向けの検定のようですね。

相続マイスター

俺が相続だ
商標登録第5510219号。
inheritance-meister.jp

丸の内相続大学校の修了など、一定の要件を満たし、
その後も継続的に相続にかかわる知識の鍛錬を行う者に与える資格です。

だそうです。なんか体育会系ノリだなーと思ったら丸の内相続大学校の校長が元警察官僚でした。
関連会社に税理士法人行政書士法人が挙げられています。

相続士

商標登録第5539376号。
www.souzokushi.or.jp

相続士は、相続の各専門家(税理士・司法書士・弁護士・行政書士土地家屋調査士不動産鑑定士ファイナンシャルプランナー等)とネットワークを組み、お客様が的確な相続を実現するためのアドバイスと支援を行う相続に特化した専門家です。

だそうです。士業の中で弁護士が登場する順番で色々と見えてきますね。
理事長の出自はよく分かりませんでした。「相続士事務所」やってるので,コレ一本なんですかね。あっでも同じ人が「終活士」なんてのもやってます。

相続支援コンサルタント

商標登録第5543017号。
www.jpmsouzoku.jp

賃貸住宅所有者に対し、相続に係る知識と技能を持って、相続及びこれに関する不動産取引について相談に応じる。また、必要に応じて法務・税務等の各分野の専門家を紹介する。各種講習会・講演会・セミナーで講師を務める等、運営に携わる。

だそうです(上級)。不動産屋サイドの資格ですね。
理事長もたぶん不動産業界の人っぽいです。
ここらへんの数件は登録番号がかなり連続しているので,資格ビジネスがこの頃(平成24年頃)流行してたんですかねえ。

相続鑑定士

商標登録第5664099号。
ican88.org

相続鑑定士は、円満な相続実現のため、相続人と専門家(弁護士・司法書士・税理士・不動産鑑定士土地家屋調査士etc.)との橋渡しを行うプロフェッショナル資格です。
相続人と専門家チームの「まとめ役」として、相続税の節税から、相続対策の土地活用まで、最適な相続=「生き活き相続」の支援を行います。

だそうです。弁護士が筆頭に来てますね^^
理事長の出自はこれまたよく分かりません。相続鑑定士として色々活動されてます。

相続ファシリテーター

商標登録第5703759号。
www.jifa-c.net

相続税がかからないから相続問題は起こらないと思われがちですが、
相続は誰にでも起こる問題です。認識の誤りにより、相続準備を怠り
「相続」が「争族」になるケースが非常に多くなっています。
皆様の「相続」を「争族」にしないために、相続対策に重要な
3つのポイントである、遺産分割対策、納税資金準備、相続税節税対策を
一緒に検証し、相続人へ適切な相続対策をアドバイスし、被相続人の想いを
残すお手伝いするのが「相続ファシリテーター」の社会的役割です。

だそうです。もうコメントすることもなくなってきました。
理事長は不動産業界の人っぽいです。

相続管理士

商標登録第5704715号。
日本相続管理士協会

「相続管理士」は相続に関して被相続人の財産を相続人へ合法的にスムーズな相続を果たすため、関連する士業と不動産業、霊園まで含めたトータルなコンサルティングチームの幹事役としての機能を発揮するものであります。その為、「相続管理士」は各自がこれまで培ってきた専門知識とともに、相続財産の合法的で且つ被相続人が納得するコンサルティング知識を得る必要があります。

だそうです。これから試験やるみたいですよ。のりこめー^^
会長は弁護士です。コラムに,つい先日ニュースになった「法定相続情報証明制度」のことも載っていて驚きました。


相続対策プランナー

商標登録第5737642号(「相続対策プランナー認定」)。
www.stpk.jp
定義が載ってなかったんですが,相続管理士の下位資格っぽいです。あれ,相続管理士はまだ試験やってないんじゃ・・・??

相続実務コンサルタント

商標登録第5745737号・
http://www.nihon-souzoku.com/

(社)日本相続コンサルティング協会は、相続問題に悩み、苦しまれている人々への助言、サポート、専門家へのコーディネートが行える身近な相談者、そして自分自身のセルフチェックが出来る人材を相続カウンセラーとして育成し、そして高度な相続問題に対する相続コンサルタントの養成を目的とする。
また、本資格が顧客の信頼すべき尺度の一つとして認知されるよう、役割と重要性を広く知らしらしめることを目的とする。

だそうです。相続実務コンサルタントだの,相続カウンセラーだの,表記が揺れまくっていて脳が理解することを放棄しました。

相続コーディネート実務士

商標登録第5776740号。
相続コーディネート実務士養成講座

お客さまの相続対策のご提案とサポートができるよう,実務能力をつけて頂く為の講座です。

だそうです。「頂く」と「為」が漢字なのがアレっぽくて最高です。
理事長の出自はよく分かりません。縦長で情報宣材サイトみたいでした(こなみかん)。

J-REC公認 相続コンサルタント,J-REC公認 相続アドバイザー

商標登録第5852621号。商標登録第5852622号。
2016年度 相続コンサルタント養成講座のご案内 (不動産教育(研修)は日本不動産コミュニティー(J-REC))

1.「J-REC公認 相続アドバイザーの称号」が与えられる
本講座を受講し、認定されると「J-REC公認 相続アドバイザー」として活動することができます。

相続コンサルタント養成講座を受けると相続アドバイザーの称号が得られるそうです。は?(威圧)
ただの「相続コンサルタント」とダブルライセンスで仕事したいですね(こなみかん)。

相続技能士

商願2016-25917。ここらへんになるとまだ登録されてません。
法人が出来たようですが公式サイトはなく,詳細不明です。

相続プランナー

商標登録はしていないみたいです。
www.souzoku-planners.com
相続プランナー認定や相続対策プランナーとの違いはよく分かりません。

相続プランナー認定

商標登録はしていないみたいです。
t23m-navi.jp
相続プランナーや相続対策プランナーとの違いはよく分かりません。


自称してるだけの相続関係の資格っぽいやつ

宣伝のためにに資格っぽい名称を自称しているものや廃止されたりまだ試験が実施されてなかったりするようなものを順不同で簡単にご紹介します。

相続ナビゲーター

相続コーチ

相続コーディネーター

遺言マイスター

相続支援士

公認遺言支援士

円満相続遺言支援士

相続遺言相談士(近日中に試験をやるとか?)

相続博士

相続書士

相続・遺品業務管理士

相続財産診断士

相続手続きサポーター

介護相続コンシェルジュ

夢相続実務士

公認相続信託支援士

遺言相続支援士

相続相談コンシェルジュ

相続プランナー(前述のとはまた別みたいです・・・)

相続実務支援士

相続シェルパ

相続保険士

相続エヴァンジェリスト(サイト名が「相続テラス」なのも草)

不動産相続コンサルタント

不動産相続ナビゲーター

相続・経営承継診断士

相続相談コンシェルジュ

相続税管理士

相続資産コンサルタント

まとめ

 以上のとおり,相続関係の資格がたくさんありますね^^
 これだけ多いと迷っちゃいますね^^
 迷っちゃった方は,とりあえずお近くの弁護士にお声掛けいただければいいと思いますよ^^

日本の刑事裁判の有罪率は本当に「99.9%」なのか

はじめに

 ということで,ついにドラマ「99.9-刑事専門弁護士-」が始まりましたね。
www.tbs.co.jp
 第1話を拝見しましたが,証人尋問のあたりの考察がしっかりとなされていて感心しました。
 また,弁護士モノのドラマ特有の

未必の故意・・・死んでも構わないと思いながら,人を死に至らしめるような行為をすること。

みたいなぬるいテロップの連発も余りなく,好感が持てました。
 こういうドラマは,リアリティと面白さのバランスが難しいのですが,今のところはいいバランスなのではないかと見ています。
 ところで,タイトルの99.9はなにかというと,公式サイトによれば,

タイトルの数字は、日本の刑事事件における裁判有罪率 (起訴された際に、裁判で有罪になる確率) を示している。

とのことです。
 第1話の劇中でもそのような発言が何回か出てきていましたね。法曹界でもよく聞かれるフレーズでもあります。しかし,「否認事件に限ればもう少し無罪率が高い」とかの意見も出ています。当職もそのようなことを聞いたことがあって気になっていました。
 ということで,まーーーーーーーーーーた業務を放り出して刑裁サイ太が実際の所を調べてみました。

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勤務弁護士であってもコストコの法人会員になれます

はじめに

わりとタイトルで終了している感のあるエントリですが。
先日,実家近くのコストコに初めて行ったのですが,その際,法人会員になれるかどうかを押し問答した結果,標題のとおり,法人会員になれることが判明しました。
そこで,備忘がてら,まとめてみることにしました。

コストコってなに?

公式サイトによると,「高品質な優良ブランド商品をできる限りの低価格にて提供する会員制倉庫型店」とのことです。
大量販売に特化したドンキ?みたいな感じでしょうか。
ホームパーティやバーベキューなんかをするときに行きたい感じの店です。
あっ,別にコストコさんサイドからキックバックがもらえるわけではないので,店の紹介はこのくらいにしておきますね^^

会員制?

そんなコストコなんですが,会員制となっています。
年会費は個人会員は4000円。会員1人につき,非会員2人(と18歳未満の子供無制限)が入場できます。
弁護士会費と比べて桁がひとつ小さいものの,たかが買い物するのに年会費? という抵抗感のある方も多いようです。
これに対して,法人会員は,年会費3500円!!!! 500円も違います!!!
あと一般カードとデザインが違うので,選ばれし者感が出ます。
・・・書いていてこの記事の必要性について疑問しか浮かびませんが,これもWeb2.0ですよね(死語)。

法人会員とは

公式サイトによれば,法人会員の対象は,

すべての事業所、自営業、非営利団体、官公庁等の事業主、または事業主に相当する方が対象です。

とされています。
典型的なイソ弁,すなわち,事務所に所属して事務所からいくばくかの報酬を得ながら,個人事件もこなして,個人事業主として確定申告を行っているような勤務弁護士は,まさに自営業・事業主ですので,形式的には要件を満たしそうです。
そう思って,典型的なイソ弁である当職は法人会員になるべくチャレンジしましたが,無事に法人会員になることが出来ました。

準備するもの

・名刺(事務所のもの)
・直近の確定申告書
・本人確認書類(顔写真必須)
を持参しましょう。これで足りました。
受付付近で,「法人会員になりたいのですが」と申し出ましょう。あとは,係員の方とよく話をして,うまいことやりましょう(適当)。


当職の実体験では,1回目に行った際には書類が足りず,仮カードを交付されました。
このとき担当してくれた係員の方は,なぜか弁護士業界に異常に詳しく,「ああ,通常の勤務弁護士さんですね」と一発で理解してくれました。
2回目,書類を追完しに行ったところ,弁護士業界をなかなか理解してもらえず,イラっとする一幕もありました・・・。
気をつけないと,勝手に所属事務所の代表にされてしまいかねませんので注意が必要です。あくまで,「事務所に籍はあるが,個人事業主である」というアピールをしましょう。
拒絶されたら・・・「サイ太っていう弁護士が出来たって言ってた」とゴネてみましょう。多分何の足しにもならないことでしょう。

まとめ

500円しか変わらないので,稼いでらっしゃる先生方にとってはクソほどの役にも立たないプチ情報でした。
法人会員のメリットのもうひとつが,従業員に対して追加会員カードが発行できるということなので,福利厚生の一環として利用するのもアリかも知れませんね(適当)。